編集部日記

5月22日のひとりごと

友人たちよ、もうしばらく待ってほしい。

フランスは5月3日にロックダウンを解除し、5月19日には数か月ぶりとなる飲食店の営業再開を果たしました。
状況からみれば新型コロナウイルス感染予防に成功し、生活の自由を徐々に手に入れているようにみえます。

日本を含め、世界中が閉鎖的になり、海外旅行なんて夢のまた夢。そんな中、フランスはロックダウンを解除し、徐々に旅行者の受け入れもおこなわれるでしょう。

フランスにいる人間に関していえば、長い期間ロックダウンを強いられ、それがようやく緩和され、気候も良く、サマータイムで夜9時過ぎまで明るいとあっては、聖人君主であっても羽目を外してしまいたい気持ちになることは十分理解できます。

だけど、日本の友人たちはもう少し待ってほしい。

SNSをみていると、旅行の段取りをしている方、すでにどういうルートか入国している方もいらっしゃいます。

5月21日の一日の感染者数は17000人を超えており、日本国内の総感染者数を遥かに上回っています。※フランスの総人口は日本の約半分程度である為、人口比率の感染割合も考えると圧倒的な差です。

ぼくのフランス人、日本人の友人・知り合いにも新型コロナウイルスに感染した人も少なくありません。その中には、命をおとしてしまった方もいます。
病院に搬送されても、適切な処置がなされなかったのか、手遅れだったのか、持病が悪化してしまったのか、真偽はわからないけれど、40代、50代の若さで亡くなっている方たちもいます。

これが旅行者だった場合、大至急に救急車を呼べますか?
紹介状もツテもなく、最高の医療を受けられる保証はありますか?
お金持ちであっても、救急隊や搬送する方に相応の便宜をはかってもらえますか?
アジア人旅行者がどの病院に搬送されるか、理解されていますか?
言葉をしっかり話し、適切な処置をうながせますか?
アジア人と欧米人では、薬の容量も少なからず違ってきます。それを理解してくれる病院を選べますか?
コロナ感染の場合、お見舞いも許されず、心細い気持ちをどうやわらげますか?
ご家族や大切な人の心配をどうやわらげますか?

友人だから、大袈裟に、まずは注意をうながします。
友人だから、一生懸命、できる限りのことはします。
でも、もしものことがあったとき、日本国内とはわけがちがいます。

だから、もう少し待ってほしい。
ほんのちょっぴり『万が一』を考えてほしい。

もちろんコロナの影響がなかったとしても『万が一』はあります。だけど、今はその確率が普段より高いと思うのです。

と、まあ、口うるさく大袈裟に、老婆心を吐露しましたが、ただのひとりごとなので。

今フランスに行ける人は、この先も何度もフランスに行くチャンスはあります。
今が最後じゃないですよ。
楽しく、笑って、毎回、毎回、最高の旅行にしましょうよ。

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